大谷のチームメイト、ギャレット・リチャーズがパドレスと契約合意!
大谷翔平のチームメイトであり、エンゼルスのエース格であったギャレット・リチャーズです。
近年はケガに悩まされ、今シーズンも8月にトミー・ジョン手術を受けて終了しました。来期は基本的にリハビリに当てることになりますが、パドレスと2年契約を締結しました。MLB.comのAJ・キャサベル氏が報じています。
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・ギャレット・リチャーズについて
リチャーズのメジャー成績
Baseball Referenceによるギャレット・リチャーズのメジャー成績は以下の通りとなっています。
注目して頂きたいのが、黄色地の防御率と青地の試合数・イニング数です。
リチャーズは健康であれば極めてレベルの高い数字を残しており、防御率は概ね3点代前半です。 記事でも述べられていますが、過去5年で同じ先発数の投手の中では、105人中13位の防御率と結果を残しています。
一方、ここ数年はケガに苦しめられており、投げられていません。一昨年はひじにPRPと幹細胞治療を受け離脱、昨年は二頭筋の怪我、今年はトミー・ジョンと、怪我に関する経歴はあまりいいモノとは言えません。
健康であれば結果を残せるリチャーズです。
リチャーズのポテンシャルとは?
リチャーズの投球で特筆すべき点は、ボールの回転量にあります。
昨今ピッチャーの投球の「キレ」を定量的に分析するため、ボールの回転量が重視されるようになっていますが、リチャーズは球界でもトップクラスの回転量を誇ります。
カーブはコンスタントに3200rpm*に達し、スライダーも2800rpm、フォーシームも2600rpm程度と、とても高い数値を残しているのが分かります。
数値にあまりピンとこないと思いますが、リーグ平均水準の大谷翔平はフォーシームが2100rpm、スライダーが2300rpm程度なので、リチャーズの方がはるかに勝っていることが分かります。
勿論回転数だけがピッチャーの優劣を規定する要因ではないものの、球界でもトップクラスのスピンレートを持つリチャーズです。
*rpm:Revolutions per Minute。1分間での回転数を指す。
・契約について
契約の内容は?
契約金額は2年1500万ドルと報じられています。正直、これだけの金額を貰えることには驚きました。
というのも、リチャーズは18年シーズンの中盤にトミージョン手術を受けたために、19年シーズンは棒に振ることが予想されます。
トミージョン手術を受けたピッチャーは通常復帰までに12~16か月ほど要することが多いです。リチャーズは8月に手術を受けたため、19年シーズンでの復帰は困難であることが予想されます。
パドレスの狙い
いわゆる「再建期」にあるパドレスは、有望な若手をメジャーレベルに育て上げている段階です。来期に勝負をかけるのではなく、戦力が充実する見込みである再来期やそれ以降に勝負をかけていくことが予想されます。
そのため、リチャーズが来期投げれなくとも、再来期での復活に期待して投資したような契約となっています。
リチャーズがかつてのパフォーマンスを取り戻すことが出来れば、脆弱なローテーションの大幅なグレードアップになります。
契約のリスク
とはいえ、実質1年1500万ドル(1年リハビリで棒に振る為)の価値があるほどの投手とは思えないというのが感想です。
トミージョンから復帰後、元のパフォーマンスを取り戻すかは不透明です。また、パドレスはそこまでマーケットの大きいチームでもないので、1500万ドルはある程度の負担になります。
一昨年レイズは、2度目のトミー・ジョンからリハビリ中のネイサン・イオバルディと2年400万ドルで契約しました。個人的には、これくらいの規模の契約を手にするのではないかと予想していました。
2年1500万ドルは、パドレスにとっては一種のギャンブルになりそうです。