菊池雄星がポスティングへ!ローテーションの2番手との評価
当初から予想された通り、菊池雄星が西武ライオンズによってポスティングされることが先日発表されました。
菊池雄星について
年度別成績
ここ数シーズンの成績は素晴らしいのですが、特に際立つのが2017年シーズンです。
奪三振率を前年度の7.99から10.41へと飛躍的に向上させ、最多勝と最優秀防御率の2冠に輝きました。
コントロールが良いとは言えずやや力任せな面もある菊池の投球ですが、プロ入り以降制球面も段々と改善されてきています。
1つ挙げるとすれば、耐久性にやや難があるのは懸念材料です。プロ入り後ほぼ毎シーズン離脱しており、去年も左肩の張りに悩まされました。
登板間隔が短く試合数も多いメジャーに適応できるかは注目されるところです。
菊池雄星の強み
菊池雄星の主な球種はストレート、スライダー、カーブとなっています。
ストレートは最速98マイル*、平均でも93~94マイル程度を記録するなど、NPBの先発投手ではかなり速い部類です。スライダーは平均85~87マイル、そこに76~78マイルのカーブを織り交ぜます。
菊池の代名詞と言えば決め球のスライダーですが、大谷翔平が投げるような曲がりの大きいスライダーよりかは、より鋭く変化するようなタイプのスライダーです。
こういった高速で鋭く変化するスライダーは現在メジャーで流行しており、非常に有効な球種です。日本では広島東洋カープの大瀬良大地などが得意としています。
数年前まではチェンジアップも少し投げていましたが、制球難で年々割合を減らしています。
*1マイル=1.609キロ。98マイルは158キロ。
メジャーでの評価とは?
良くてもローテーション2番手?
結論から言うと、「エース級ではないが、ローテーションの2,3番手レベル」といった評価になっています。そのため、田中が手にしたような契約(7年1億5500万ドル)よりも、金額や年数も少ないものになることが予想されています。
ストレートの球速はメジャー平均以上ではありますが、コンスタントに100マイル付近に達するようなトップクラスには及びません。
また、菊池は絶対的な3つ目の球種がないことが、評価の低さに繋がっている感は否めません。スライダーは素晴らしくストレートも平均以上ですが、その他の球種はそこまでパッとはしません。
メジャーのトップクラスと称される先発ピッチャーの多くは、3つの軸となる球種を持っています。カーショウであればフォーシーム/スライダー/カーブ、シャーザーはフォーシーム/スライダー/チェンジアップ、といった形です。大谷が初年度であれだけ活躍できたのも、超高速なフォーシームに加えて質の高いスライダーとスプリットを持ち合わせていたことが大きいです。
また、健康面に多少の不安を抱かれる可能性はあります。特に近年の日本人メジャーリーガーは、渡米後に怪我をして離脱するケースが少なくありません。菊池も左肩というセンシティブな部分に故障を抱えている為、契約への影響が懸念されます。
日本で豪腕と称されていた田中も、渡米後は球威不足に苦しみ、軟投派としてのモデルチェンジを強いられています(田中の速球の使用割合は、全先発ピッチャーの中でも最低レベル)。
田中はスプリットに加えてスライダーも素晴らしく、精密なコントロールを持っているので、これにより結果を残し続けることができています。
菊池もどのようにしてメジャーに適応していくかが注目される所です。