キトのMLB雑記

MLBに関するネタをブログで紹介していきます。プロ野球にはない魅力を紹介していければと考えています。

チャーリー・モートンがレイズへ!

故障続きでパッとしないキャリアを送ってきましたが、アストロズでの2年を通じてキャリアを見事に再生させたチャーリー・モートンです。

現在35歳と若くないものの、18年シーズンは167.0イニングで防御率3.13とトップレベルの成績を誇ります。

そんなモートンがレイズと契約合意したことが伝えられています。規模は2年3000万ドルだそうです。

Jon Morosi on Twitter: "Source: #Rays, Charlie Morton in agreement on a free agent contract. @TBTimes_Rays was first to report. @MLBNetwork @MLB"

 

チャーリー・モートンとは?

年度別成績

チャーリー・モートンのメジャー通算成績は以下のようになっています。

 

f:id:quito_mlbdiary:20181214231914p:plain

モートンのメジャー通算成績

以前から故障離脱しなければそのポテンシャルの片鱗を見せていましたが、アストロズに移るまでそこまで目立った成績はありません。

2年1550万ドルの契約でヒューストンに移ると、一年目は146.2イニングで防御率3.62、2年目も167.0イニングで防御率3.13と、トップレベルの成績を残しました。

ドジャーズのリッチ・ヒルもそうですが、かなり遅咲きの選手と言えるモートンです。

30半ばで急速アップ?

アストロズに移りブレイクしたモートンですが、その裏には速球の急速アップがあります。

アストロズに移籍後、平均球速は数マイルアップし、度々100マイル近くに達するエリートクラスの数字となりました。

その要因は、本人曰く「細かいことを考えず腕を思い切り振るようになったから」だそうです。個人的にはそれだけでこんなに変わるのか、とは思いますが…

一つ言えるのが、モートンアストロズのデータ野球を取り入れ三振を奪うスタイルにモデルチェンジしています。

元々アストロズモートンのカーブの回転数に着目し、そのポテンシャルに賭けて投資しました。移籍後は高スピンのカーブを多投すること加えて、高速なファストボールを高めに投げるように指導されています。

細かいコントロールよりもスピードを意識するようになったのは、球速向上の要因の一つかもしれません。

 

レイズのしたたかさ

レイズはまともなフロントスターターがサイ・ヤング投手のブレイク・スネルとタイラー・グラズノーしかいません。オープナー*という戦術を採用して2018シーズンは乗り切りました。

その為、先発投手への投資は急務でした。さほど年数と金額が要求されないモートンを獲得できたのは、大きな意味を持ちます。

ハップやカイケルの陰に隠れているものの、パフォーマンスの質で言えば両者に劣らないモートンは隠れ優良物件です。

 

この補強により、レイズはスネル、グラズノー、モートンという3人の先発投手を確保しました。

残りの2人はオープナーを採用して乗り切る事が出来ます。加えて、マイナーではトッププロスペクトのハニーウェルとデレオンがトミー・ジョン手術から復帰してくる見込みのため、様々な選択肢があるレイズです。

今期のような快進撃を来季も見せてくれるのでしょうか。

 

*オープナー:リリーフ投手を先発させ、1〜2イニングでロングリリーフに変えるという戦術。最初の上位打線を強力なリリーバーが抑え、下位打線からロングリリーフにスイッチし失点を抑えるのが狙い。

今期のア・リーグワイルドカードでアスレチックスが使用した事でも話題に。

 

ナショナルズがパトリック・コービンを獲得!6年1億4000万ドルの契約か

f:id:quito_mlbdiary:20181211135146j:plain

6年規模の大型契約となったコービン。活躍が期待される


今オフの先発投手ではトップの評価を経ていたのがパトリック・コービンです。

今期は200.0イニングで防御率3.15、246奪三振と大きく躍進しました。その為、多くのチームが興味を示し、獲得を目指していました。

そんなコービンが先日ナショナルズと契約合意し、お披露目されました。

 

パトリック・コービンとは?

通算成績

コービンのメジャー通算成績は以下の通りです。

f:id:quito_mlbdiary:20181211135618p:plain

パトリック・コービンのメジャー通算成績

2014年はトミージョン手術で全休しました。復帰後は一時期苦しむも、今期見事にバウンスバックしました。

特筆すべきは奪三振率の高さです。前年度の8.45から11.07に跳ね上がっており、これが今期の躍進を支えました。FIPは2.47と、いかに打者を制圧していたかがわかります。

コービンは速球がそこまで速くなく、メジャー平均をやや下回るような数値です。そこで、今期はスライダーの投球割合を増やし、フォーシームを減らすことで好成績を残しました。

コービンはレッドソックスのクリス・セールと同じように、カウントによって急速の異なるスライダーを使い分ける投手です。絶対的な球種はこのスライダーしかないものの、これが実質2球種分の役割を果たしており、打者を制圧することが出来ています。

 

ナショナルズは大型契約締結へ!

ナショナルズは今期ぜいたく税の基準値を超過しているにも関わらず、また大型契約を結ぶこととなりました。

現在はマックス・シャーザー、スティーブン・ストラスバーグとも大型の契約を結んでいます。

これにより、向こう数年もぜいたく税を支払うことは濃厚になったとも言えます。さすが金満球団といったところです。

その引き換えとして手に入れるのが、メジャー屈指の先発ローテーションです。

シャーザー、ストラスバーグ、コービンというラインアップは非常に強力です。昨年度アストロズがゲリット・コールを獲得した時を彷彿とさせます。

ネイサン・イオバルディとの再契約に成功したレッドソックスと並び、メジャー屈指のローテーションを手に入れました。

 

契約の評価

個人的には、6年1億4000万ドルは払い過ぎな印象が拭えません。

現在29歳のコービンの契約最終年は35歳と、若くはありません。目立った好成績は今期のみなので、来季以降もコンスタントに結果を残していく保証はあまりないのではないでしょうか。

また、トミー・ジョン手術歴があるのも懸念点です。一般的に1回目のトミー・ジョン手術からおよそ7年でまた肘にトラブルが浮上する可能性が高いとされています。仮に2021年以降に2度目の手術となれば、契約が焦げ付く可能性も否定できません。

一つ朗報とも言えるのが、コービンが球速に依存するタイプの投手ではないという点です。かつてのチームメイトであるグレンキーのように、球速低下後もモデルチェンジできる可能性は充分あります。

 

ヤンキースの今後の動向は?

コービンの争奪戦に深く関わっていたのがヤンキースです。

ヤンキースは随分前から獲得に動くであろうことが報じられていましたし、キャッシュマンGMも明言していました。実際に5年規模の契約を提示していたと言われます。

コービンはニューヨーク出身で家族全員がヤンキースファンです。そのため、両者は相思相愛なのではないかと考えられていました。

先日のコービンの結婚式では、コービンの兄弟がヤンキースの帽子をプレゼントするといった一幕もありました。

ナショナルズは契約年数で勝り、周囲の予想に反してコービンをかっさらったような形です。

 

これにより、ヤンキースは代替策を探すこととなります。

おそらく、FA市場よりもトレード市場の方が質の高い投手が多く、そちらで動くこととなります。インディアンズのコーリー・クルーバートレバー・バウアーの獲得に動き出していくのではないでしょうか。

ソニー・グレイはもう恐らくヤンキースでは使い物にならないので、もう一人質の高い先発投手の確保が急務なヤンキースです。

菊池雄星がポスティングへ!ローテーションの2番手との評価

f:id:quito_mlbdiary:20181204154524j:plain

フロントスターター級との評価の菊池。複数球団が興味

当初から予想された通り、菊池雄星西武ライオンズによってポスティングされることが先日発表されました。

www.mlb.com

菊池雄星について

年度別成績

菊池雄星NPBでの成績は以下の通りになっています。

f:id:quito_mlbdiary:20181204160245p:plain

菊池雄星NPB成績

ここ数シーズンの成績は素晴らしいのですが、特に際立つのが2017年シーズンです。

奪三振率を前年度の7.99から10.41へと飛躍的に向上させ、最多勝最優秀防御率の2冠に輝きました。

コントロールが良いとは言えずやや力任せな面もある菊池の投球ですが、プロ入り以降制球面も段々と改善されてきています。

1つ挙げるとすれば、耐久性にやや難があるのは懸念材料です。プロ入り後ほぼ毎シーズン離脱しており、去年も左肩の張りに悩まされました。

登板間隔が短く試合数も多いメジャーに適応できるかは注目されるところです。

菊池雄星の強み

菊池雄星の主な球種はストレート、スライダー、カーブとなっています。

ストレートは最速98マイル*、平均でも93~94マイル程度を記録するなど、NPBの先発投手ではかなり速い部類です。スライダーは平均85~87マイル、そこに76~78マイルのカーブを織り交ぜます。

菊池の代名詞と言えば決め球のスライダーですが、大谷翔平が投げるような曲がりの大きいスライダーよりかは、より鋭く変化するようなタイプのスライダーです。

こういった高速で鋭く変化するスライダーは現在メジャーで流行しており、非常に有効な球種です。日本では広島東洋カープの大瀬良大地などが得意としています。

数年前まではチェンジアップも少し投げていましたが、制球難で年々割合を減らしています。

*1マイル=1.609キロ。98マイルは158キロ。

メジャーでの評価とは?

良くてもローテーション2番手?

結論から言うと、「エース級ではないが、ローテーションの2,3番手レベル」といった評価になっています。そのため、田中が手にしたような契約(7年1億5500万ドル)よりも、金額や年数も少ないものになることが予想されています。

ストレートの球速はメジャー平均以上ではありますが、コンスタントに100マイル付近に達するようなトップクラスには及びません。

また、菊池は絶対的な3つ目の球種がないことが、評価の低さに繋がっている感は否めません。スライダーは素晴らしくストレートも平均以上ですが、その他の球種はそこまでパッとはしません。

メジャーのトップクラスと称される先発ピッチャーの多くは、3つの軸となる球種を持っています。カーショウであればフォーシーム/スライダー/カーブ、シャーザーはフォーシーム/スライダー/チェンジアップ、といった形です。大谷が初年度であれだけ活躍できたのも、超高速なフォーシームに加えて質の高いスライダーとスプリットを持ち合わせていたことが大きいです。

また、健康面に多少の不安を抱かれる可能性はあります。特に近年の日本人メジャーリーガーは、渡米後に怪我をして離脱するケースが少なくありません。菊池も左肩というセンシティブな部分に故障を抱えている為、契約への影響が懸念されます。

 

日本で豪腕と称されていた田中も、渡米後は球威不足に苦しみ、軟投派としてのモデルチェンジを強いられています(田中の速球の使用割合は、全先発ピッチャーの中でも最低レベル)。

田中はスプリットに加えてスライダーも素晴らしく、精密なコントロールを持っているので、これにより結果を残し続けることができています。

菊池もどのようにしてメジャーに適応していくかが注目される所です。

 

フィリーズがジーン・セグラを獲得!マリナーズはまた主力放出へ

f:id:quito_mlbdiary:20181204142000j:plain

セグラの放出に踏み切ったマリナーズロスターの再編成が続く

先日の記事でも紹介した通り、主力選手の放出によるロスターの大幅な刷新を行なっているマリナーズです。

そんな中、マリナーズの正遊撃手であるジーン・セグラがフィリーズにトレード放出されたことが報じられています。

www.mlb.com

 

トレード選手ついて

今回のトレードでは、マリナーズからジーン・セグラ、フアン・ニカシオ、ジェームズ・パゾスを放出し、フィリーズからカルロス・サンタナJP・クロフォードを獲得しています。

年度別成績

トレードの中心となっているのは、マリナーズセグラです。

 

f:id:quito_mlbdiary:20181204132920p:plain

セグラのメジャー年度別成績

 

22歳と若くしてメジャーデビューを果たし、現在28歳の選手。2016年を除き、デビューから一貫してショートとしてプレイしてきました。

ここ3年連続で打率3割超えと、優れたコンタクト能力を持っています。フリースインガーで出塁率は低いですが、三振率がリーグで最も低い水準にあるのも魅力的です。

スピードはエリートクラスで、年間20〜30盗塁できる見込みはあります。守備は平均よりやや上といったところでしょうか。

セグラは2022年まで各年1450万ドル、2023年にクラブオプション1700万ドルの優良な契約が残ります。人材難のチームにとって悪くない選択肢のセグラです。

 

マリナーズの他のパッケージは、ニカシオとパゾスです。パゾスは今季60試合で防御率2.88の左腕。信頼できるブルペン要因の一人であったため、マリナーズにとって放出はやや痛手です。

 

一方、フィリーズサンタナとクロフォードを放出しています。

サンタナは現在32歳の一塁手で、2年3500万ドルの契約が残ります。今オフ日米野球に出場したことでも話題になりました。ブルースやヒーリーと併用されるのではないでしょうか。

より価値が高いのがクロフォードです。23歳で、ポジションはショート。2016年は主要三媒体でトップ10にランクインするなど、球界きってのトッププロスペクトです。

しかし、メジャー昇格後は成績が振るわず、ここ数年は評価を下げています。しかし、今期の9月では打率.292/出塁率.346/長打率.625/OPS.971と、ブレイクの兆しは見せていました。

セグラの穴を埋める形で正遊撃手で起用される見込みのセグラです。

セグラは問題児?

今シーズン、セグラはチームメイトのディー・ゴードンとクラブハウスで揉め事を起こしていた事が報じられていました。

今シーズンのマリナーズは、前半戦は6割を超える勝率を記録したものの後半戦で大きく失速しました。その理由として、チームのムードの悪さ、まとまりのなさをディポトGMが明かしています。

マリナーズ首脳陣は、セグラをチームの和を乱す存在としてあまり快く思っておらず、それがトレードを後押しする要因となった可能性が大きいです。

 

フィリーズの方針は??

マチャド獲りはいかに?

フィリーズはぜいたく税のラインまで1億ドルほど余裕があり、マーケットも大きい球団です。そのため、今オフの目玉FAであるマニー・マチャドの獲得に動くのではないかと報じられていました。

マチャドはデビュー以降サードで起用されてきましたが、元々はショートです。その為ショートでプレーすることに強いこだわりを持っています。

マチャドの獲得に向けてショートのポジションを空けておくことが予想されましたが、セグラの獲得に動きました。

ショートのポジションは埋まりましたが、それでもマチャド獲りに動くのではないかということが報じられています。 

www.mlb.com

マチャドはサードはゴールドグラブ級の守備を持ちますが、ショートとしては平凡です。フィリーズはマチャドをショートより、サードとしてのほうがより評価しているのかもしれません。

マリナーズロスター編成はいかに?

また主力選手を放出し、見返りとして有望な若手を手に入れたマリナーズです。

個人的な印象としては、ややマリナーズに分が悪いトレードです。サンタナの2年3500万ドルを肩代わりにするにもかかわらず、セグラと共にメジャーレベルの投手2人を放出してしまいました。

マリナーズは選手の育成にあまり定評がないので、獲得したトッププロスペクトたちをエリートクラスの選手へと育成できるのかといった点にも疑問が残ります。

 

一部ではブレーブスがミッチ・ハニガーにも興味を持っているとされています。ここから更なる主力の放出はあるのでしょうか。

マリナーズがまた主力放出へ!メッツとのトレードが合意間近に

f:id:quito_mlbdiary:20181130171238j:plain

フランチャイズの中心選手でもあるディアズとカノ

マリナーズGMジェリー・ディポトは、今オフロスターを「リ・イマジネーションする」と述べており、主力選手も含めたロスターの大幅な刷新を試みています

オフシーズンに入って早々マイク・ズニーノとジェームス・パクストンをトレードするなど、その姿勢は非常に明確です。

そんな中、チームの中心的な存在であるエドウィン・ディアズとロビンソン・カノがメッツにトレードされる見込みであることをジョエル・シャーマン氏が報じています。

 

 

 既にトレードの大枠は決まっており、成立は時間の問題とされています。

 

トレードの概要

ディアズとカノについて

マリナーズはこのトレードで、エドウィン・ディアズロビンソン・カノマリナーズに放出します。

 

トレードの中心は、エドウィン・ディアズです。マリナーズでクローザーを務める24歳の選手。今シーズンは両リーグ最多の57セーブを記録し、マリアノ・リベラ賞(最優秀リリーフ投手賞)を受賞しました。

使用する球種は100マイルに達する速球と90マイル付近のスライダーのみで、通算奪三振率は14.2と打者を圧倒できる能力を持っています。

今季マリナーズポストシーズン争いに食い込めたのも、ディアズの力によるものが大きいです。得失点差が‐34ながらも、89勝挙げれたのはクローザーの力で接戦をモノにできたためです。セーブ失敗はわずか4つしかありません。

これだけ力を持った選手ながら、クラブ保有期間は2022年までという、超優良物件です。

 

もう一人の選手は、36歳のロビンソン・カノです。

二塁手でありながら300本塁打を記録している、球界でも有数のスーパースターです。日本人でも名前は耳にしたことはあるのではないでしょうか。

故障にも強く、2007年から12年連続で150試合出場という鉄人っぷり。昨年度は禁止薬物の使用で出場停止処分を受けたことも話題になりました。

現在36歳ですが、成績はさほど衰えていません。今期も80試合で打率.303/出塁率.374/長打率.471、OPS.845とハイレベルな数字を保っています

カノは2023年まで1億2000万ドルの超大型契約が残ります。契約最終年カノは41歳であり、最後の数年は焦げ付く可能性が高いものとなっています。この点がネックになり、マリナーズディアズをパッケージ化することで放出を試みています

 

メッツの交換選手

メッツは4人の選手を交換要員とするとされています。

最もメッツにとって痛手となるのは、ジャレッド・ケレニッチです。まだ19歳の選手で、昨年度のドラフト全体6位の有望株。MLB Pipelineにも全体62位でランクインされています。

 

もう一人の若手であるジャスティン・ダンは、2016年1巡目指名の投手。今期はAAまで昇格し、マイナー通算防御率は3.59です。

 

これらのプロスペクトに加え、メジャーレベルではジェイ・ブルースアンソニー・スウォーザックが交換要員となる見込みです。

 

メッツは2人のドラフト1巡目指名選手を放出することになるので、それなりの代償を支払うこととなります。カノの大型契約を引き取ることになるので、ブルーズやスウォーザックを放出してバランスを取っているのではないかという印象です。

 

マリナーズは再建モード突入か?

リ・イマジネーションの真意とは

シアトル・マリナーズは長らくポストシーズンに進出していません。しかし現在の戦力は微妙で、ファームもメジャー最低水準にある為、来シーズンもポストシーズン進出は厳しいのではないかという評価が大半です。そのため、ロイヤルズやタイガーズのような「再建期」に突入するのではないかと予想されていました。

 

マリナーズのディポトGMは、ロスターを「リ・イマジネーションする」といった表現を使い、再建を行うことを否定してきました。しかし、実際には再建に近いような状態に突入するのではないかというのが個人的な見解です

今回交換要員となっているプロスペクトのケレニッチはRok、ダンはAAまでしか昇格していません。つまり、すぐにメジャーレベルで戦力として期待するのは難しく、育成に少なくとも数年はかかる見込みです。

来季から再び勝負をかける意向であるのならば、よりメジャーレベルに近く即戦力である選手を取ることが自然です。にもかかわらず、メジャーレベルではない有望株を獲得しています。

 

ディポトGMは再建を否定しながらも、実際には再建に近いようなトレードを繰り返していくのではないかといった印象です。

 

トレードが成立次第、情報を更新していきます。

 

 

 

 

大谷のチームメイト、ギャレット・リチャーズがパドレスと契約合意!

大谷翔平のチームメイトであり、エンゼルスのエース格であったギャレット・リチャーズです。

近年はケガに悩まされ、今シーズンも8月にトミー・ジョン手術を受けて終了しました。来期は基本的にリハビリに当てることになりますが、パドレスと2年契約を締結しましたMLB.comのAJ・キャサベル氏が報じています。
www.mlb.com

 

 

・ギャレット・リチャーズについて

 リチャーズのメジャー成績

Baseball Referenceによるギャレット・リチャーズのメジャー成績は以下の通りとなっています。

f:id:quito_mlbdiary:20181130154905p:plain

ギャレット・リチャーズのメジャー通算成績

注目して頂きたいのが、黄色地の防御率と青地の試合数・イニング数です。

リチャーズは健康であれば極めてレベルの高い数字を残しており、防御率は概ね3点代前半です。 記事でも述べられていますが、過去5年で同じ先発数の投手の中では、105人中13位の防御率と結果を残しています。

一方、ここ数年はケガに苦しめられており、投げられていません。一昨年はひじにPRPと幹細胞治療を受け離脱、昨年は二頭筋の怪我、今年はトミー・ジョンと、怪我に関する経歴はあまりいいモノとは言えません

健康であれば結果を残せるリチャーズです。 

 リチャーズのポテンシャルとは?

リチャーズの投球で特筆すべき点は、ボールの回転量にあります。

昨今ピッチャーの投球の「キレ」を定量的に分析するため、ボールの回転量が重視されるようになっていますが、リチャーズは球界でもトップクラスの回転量を誇ります。

カーブはコンスタントに3200rpm*に達し、スライダーも2800rpm、フォーシームも2600rpm程度と、とても高い数値を残しているのが分かります。

数値にあまりピンとこないと思いますが、リーグ平均水準の大谷翔平はフォーシームが2100rpm、スライダーが2300rpm程度なので、リチャーズの方がはるかに勝っていることが分かります。

勿論回転数だけがピッチャーの優劣を規定する要因ではないものの、球界でもトップクラスのスピンレートを持つリチャーズです。

*rpm:Revolutions per Minute。1分間での回転数を指す。 

 

・契約について

契約の内容は?

契約金額は2年1500万ドルと報じられています。正直、これだけの金額を貰えることには驚きました。

というのも、リチャーズは18年シーズンの中盤にトミージョン手術を受けたために、19年シーズンは棒に振ることが予想されます。

トミージョン手術を受けたピッチャーは通常復帰までに12~16か月ほど要することが多いです。リチャーズは8月に手術を受けたため、19年シーズンでの復帰は困難であることが予想されます。

パドレスの狙い

いわゆる「再建期」にあるパドレスは、有望な若手をメジャーレベルに育て上げている段階です。来期に勝負をかけるのではなく、戦力が充実する見込みである再来期やそれ以降に勝負をかけていくことが予想されます。

そのため、リチャーズが来期投げれなくとも、再来期での復活に期待して投資したような契約となっています。

リチャーズがかつてのパフォーマンスを取り戻すことが出来れば、脆弱なローテーションの大幅なグレードアップになります。

契約のリスク

とはいえ、実質1年1500万ドル(1年リハビリで棒に振る為)の価値があるほどの投手とは思えないというのが感想です。

トミージョンから復帰後、元のパフォーマンスを取り戻すかは不透明です。また、パドレスはそこまでマーケットの大きいチームでもないので、1500万ドルはある程度の負担になります。

一昨年レイズは、2度目のトミー・ジョンからリハビリ中のネイサン・イオバルディと2年400万ドルで契約しました。個人的には、これくらいの規模の契約を手にするのではないかと予想していました。

2年1500万ドルは、パドレスにとっては一種のギャンブルになりそうです。

 

ジャイアンツがマディソン・バムガーナーをトレード放出へ?フィリーズらが興味

f:id:quito_mlbdiary:20181128013121j:plain

 

ジャイアンツのマディソン・バムガーナーは、バスター・ポージーと並びフランチャイズの顔と言えます。

2009年のデビュー以降、3度のワールドシリーズ制覇に大きく貢献しチームのエースとして君臨してきました。

来年度まで1200万ドルの契約が残るバムガーナーですが、ジャイアンツがトレード放出を模索していることをジョン・モロシ氏が伝えています。

 

 

www.mlb.com

 

ジャイアンツのファームの状態は悪く、バムガーナーのトレードでは有望な若手を複数獲得するのが狙いとされています。

特に投手のプロスペクトの獲得を望んでおり、それを提供できるフィリーズやブルワーズがトレード先の候補として述べられています。

 

フィリーズにはトッププロスペクトのシクスト・サンチェスがいます。球団内では1位、ベースボール・プロスペクタスで13位の逸材です。今期はA+で防御率2.51の好成績。100マイル近いファストボールやスライダーへの評価が高い選手です。

メジャーレベルではザック・エフリンも記事の中で候補に挙げられています。今期は126.0イニングで防御率4.36。今期はシンカーを減らしてスライダーを増やし、デビュー以降最多イニングを消化しました。

 

ブルワーズではコービン・バーンズブランドン・ウッドラフの名前が取り上げられています。いずれも既にメジャーレベルの選手で、今期のポストシーズンでも活躍しました。

 

今期のバムガーナーはオープン戦で左手を骨折し21試合の出場にとどまりましたが、129.2イニングで防御率3.26と、高水準の成績を残しました。

バムガーナーの特質すべき点は、ポストシーズンでの強さです。通算102.1イニングで防御率2.11と非常に強く、ワールドシリーズでは通算36.0イニングで防御率0.25(!)と驚異的な数字を誇ります。

その為、フィリーズやブルワーズのような、ポストシーズンに向けて勝負をかける球団にとっては非常に魅力的です。今オフにトレードが成立しなくとも、来シーズン途中にトレードされる可能性もあります。

 

今シーズン終了後、ジャイアンツはドジャーズのファーハン・ザイディをヘッドハンティングし、ベースボール・オペレーションのトップに添えました。

ここ数年は低迷が続いていた為、ジャイアンツはザイディのもと何かしらの方向転換がなされることが予想されていましたが、その姿勢がより明確になったともいえる動きです。

バムガーナーはジャイアンツの中では最も価値のある選手ですが、契約年数が残り1年と短いこともあり、さほど大きな見返りを得られないのではないかというのが個人的な見解です。

先日マリナーズがジェームス・パクストンをトレードした際にトッププロスペクトのユスタス・シェフィールドを獲得しましたが、それよりパッケージの質はやや落ちそうです。

 

#MLB #メジャーリーグ #移籍情報 #トレード #ジャイアン