ジャイアンツがマディソン・バムガーナーをトレード放出へ?フィリーズらが興味
ジャイアンツのマディソン・バムガーナーは、バスター・ポージーと並びフランチャイズの顔と言えます。
2009年のデビュー以降、3度のワールドシリーズ制覇に大きく貢献しチームのエースとして君臨してきました。
来年度まで1200万ドルの契約が残るバムガーナーですが、ジャイアンツがトレード放出を模索していることをジョン・モロシ氏が伝えています。
ジャイアンツのファームの状態は悪く、バムガーナーのトレードでは有望な若手を複数獲得するのが狙いとされています。
特に投手のプロスペクトの獲得を望んでおり、それを提供できるフィリーズやブルワーズがトレード先の候補として述べられています。
フィリーズにはトッププロスペクトのシクスト・サンチェスがいます。球団内では1位、ベースボール・プロスペクタスで13位の逸材です。今期はA+で防御率2.51の好成績。100マイル近いファストボールやスライダーへの評価が高い選手です。
メジャーレベルではザック・エフリンも記事の中で候補に挙げられています。今期は126.0イニングで防御率4.36。今期はシンカーを減らしてスライダーを増やし、デビュー以降最多イニングを消化しました。
ブルワーズではコービン・バーンズやブランドン・ウッドラフの名前が取り上げられています。いずれも既にメジャーレベルの選手で、今期のポストシーズンでも活躍しました。
今期のバムガーナーはオープン戦で左手を骨折し21試合の出場にとどまりましたが、129.2イニングで防御率3.26と、高水準の成績を残しました。
バムガーナーの特質すべき点は、ポストシーズンでの強さです。通算102.1イニングで防御率2.11と非常に強く、ワールドシリーズでは通算36.0イニングで防御率0.25(!)と驚異的な数字を誇ります。
その為、フィリーズやブルワーズのような、ポストシーズンに向けて勝負をかける球団にとっては非常に魅力的です。今オフにトレードが成立しなくとも、来シーズン途中にトレードされる可能性もあります。
今シーズン終了後、ジャイアンツはドジャーズのファーハン・ザイディをヘッドハンティングし、ベースボール・オペレーションのトップに添えました。
ここ数年は低迷が続いていた為、ジャイアンツはザイディのもと何かしらの方向転換がなされることが予想されていましたが、その姿勢がより明確になったともいえる動きです。
バムガーナーはジャイアンツの中では最も価値のある選手ですが、契約年数が残り1年と短いこともあり、さほど大きな見返りを得られないのではないかというのが個人的な見解です。
先日マリナーズがジェームス・パクストンをトレードした際にトッププロスペクトのユスタス・シェフィールドを獲得しましたが、それよりパッケージの質はやや落ちそうです。
ジョシュ・ドナルドソンが1年2300万ドルでブレーブスと合意!驚きの展開に
今季の豪華なFA市場の中でも、1,2を争う実績を誇るのがジョシュ・ドナルドソンです。
今期はケガに泣かさたため、マチャドやハーパーの陰に隠れる形となっていますが、実力は折り紙付きです。2015年にア・リーグMVP受賞、2015~17年で三年連続OPS.900越えを記録するなど、球界屈指の三塁手であることは間違いありません。
その為、複数年契約を手にすることは確実視されていましたが、早期にブレーブスと1年契約を結ぶに至りました。
Donaldson in agreement with #Braves on one-year, $23M free-agent contract, sources tell The Athletic. Deal is pending a physical.
— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) November 26, 2018
2300万ドルはドナルドソンの昨年度の年俸と同額です。
ブレーブスは契約を1年に留めることで、故障歴のあるドナルドソンを低リスクで獲得することが出来ました。一方、ドナルドソンは好成績を残せば、来年のFA市場でより大型の契約を結ぶことが可能です。
このような「腰掛け」の契約は成功例と失敗例があるので何とも言えません。昨季のロッキーズでのグレグ・ホランド(防御率3.61、41セーブ)は成功の部類に入りますが、今期のランス・リン(10勝10敗、防御率4.71)やマイク・ムスタカス(.251/.315/.459、28HR)は失敗と言わざるを得ません。
ドナルドソンにとってはややリスクの高い契約なので、来期の奮闘に期待したいです。
ブレーブスはさほど三塁を補強ポイントにしていた印象はなく、これだけ早いタイミングでドナルドソンと契約したのには少々驚きました。
今季正三塁手を務めたヨアン・カマーゴは内野3ポジションを守ることが出来る、ユーティリティ性の高い選手です。基本的にはドナルドソンが三塁を守り、カマーゴはユーティリティとして複数ポジションで起用されていくことが予想されます。
サードのグレードアップと共に、ロスターに柔軟性を持たせることにも成功した
ブレーブスの補強です。
ブライアン・マキャンがブレーブスと1年契約!カート・スズキの穴埋め補強に
ブレーブスはここ数年、タイラー・フラワーズとカート・スズキの2人をキャッチャーとして併用してきました。
今季フラワーズがFAとなりナショナルズと契約したため、キャッチャーは補強ポイントの1つとなっていました。
FA市場でグランダルやリアルミュートの獲得を模索するかとも思われていましたが、ブライアン・マキャンと1年200万ドルの契約を結びました。
Brian McCann has agreed to a contract to return to #Braves, the veteran catcher's original team and the one w/ whom he was made 6 consecutive All-Star teams in 2006-2011 and again in 2013 before going to Yankees as a free agent. He'll be 35 in Feb. Terms not immediately known.
— David O'Brien (@DOBrienATL) November 26, 2018
McCann deal with #Braves is one year, $2M, sources tell The Athletic.
— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) November 26, 2018
マキャンはデビュー年の2005年から8年間ブレーブスでプレーし、強い愛着を持っています。その為、条件面ではより良いオファーを断り、今回の契約に至りました。
マキャンは2008年から9年連続20本塁打を達成するなど、強打で有名の捕手です。
一方、守備にはやや難があります。また、今期は右ひざの半月板を修復する手術を行っています。よって、ひざに負担のかかる捕手としては、やや健康面に不安が残ります。
正捕手としてフルシーズンマスクを被るのではなく、今年のスズキと同様にフラワーズと併用される見込みのマキャンです。
マキャンは持ち味のリーダーシップを発揮し、アストロズの2017年ワールドシリーズ制覇に貢献しました。若いブレーブスの選手たちにポジティブな影響を与えていくことが期待されます。
クリスチャン・イェリッチはいかにしてナ・リーグMVPまで登り詰めたのか?
2018年のクリスチャン・イェリッチはキャリアベストと言えるシーズンを過ごし、あわや三冠王も取るのではないかといった成績でナ・リーグMVPを獲得しました。
ここ三年間のイェリッチの成績は以下の通りです。
年 | チーム | リーグ | 本塁打 | 打点 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
2016 | MIA | NL | 21 | 98 | .298 | .376 | .483 | .859 |
2017 | MIA | NL | 18 | 81 | .282 | .369 | .439 | .807 |
2018 | MIL | NL | 36 | 110 | .326 | .402 | .598 | 1.000 |
*黒字はリーグベスト
特筆すべき点はパワーの増加です。本塁打は倍の36本を記録し、長打率は.600近い好成績を残しました。
一方で、パワーを発揮しつつも打率は高水準を維持しました。三振に関しても昨年度とほぼ同水準(2個減の135個)と、ただホームラン狙いの打撃にシフトしたわけではないことが伺えます。
以前と同レベルのコンタクトを維持しつつ、パワーが開花したイェリッチです。
今期のイェリッチについて、MLB Networkでカルロス・ペーニャが彼の打撃のある変化点について取り上げています。
スイングの際のバットの軌道を改善したことにより、より長い間ヒッティングゾーンにバットが残っていることが紹介されています。(0:25~)具体的にはバットの軌道をボールの軌道と限りなく平行に出していることが述べられています。
これにより、昨年度まで逆方向に流し打っていたような球をより前でさばくことが出来るようになり、ホームランの増加に繋がっているそうです。
イェリッチは今季これだけの長打を打ちながらも、打球角度ではリーグ上位に入るような選手ではありません。
昨今話題のフライボール革命ではフライを打つことを意識しホームランを増加させた選手が多い一方、イェリッチはそれとはやや異なるアプローチをしていることが分かります。
イェリッチ自身も、フライボール革命の信者でないことは度々インタビューで述べています。(人によって得意不得意はある為、自身のスイングを無理やり崩すのには反対だそうです。)
ヤクルトの青木も以前、亀梨和也との野球企画で「バットを平行に出すことの重要性」について述べていたような覚えがあります。
「ボールの軌道と平行なスイング」は好成績を残す打者の1つのキーワードではないでしょうか。